靴を履くときにふらついた、片脚立ちで靴下がはけなくなった——40代を過ぎたころから、こうしたことに気づく方が増えます。結論からお伝えすると、片脚立ちは「何秒できるか」を競うものではなく、体の状態を映す目印として使うものです。手がかりになる数字がひとつあります。10秒です。この記事では、東海市・太田川駅徒歩4分のTRADパーソナルコンディショニングジムが、その10秒がどんな研究から出てきた数字なのか、そして「片脚立ちを練習すれば長生きする」とは言えない理由まで含めてご紹介します。
要点まとめ
・51〜75歳の1,702名を調べた研究で、10秒間の片脚立ちができなかった方は20.4%でした(Araujo et al. 2022)
・中央値7年の追跡では、亡くなった割合に差がありました(できた方4.6%・できなかった方17.5%)。ただし観察した研究で、片脚立ちが原因だと示したものではありません
・ただしこれは観察した研究であって、練習すれば結果が変わると示したものではありません
・片脚立ちの時間は加齢とともに短くなる一方、男女差は認められていません(Springer et al. 2007)
・鍛え方は支えありから始め、支えを減らし、最後に条件を変えるの3段階です
まず測ってみてください(10秒)
なお、これからご紹介する10秒という数字は、51〜75歳の方を調べた研究から出たものです。40代の方には少し余裕のある基準になります。
安全が最優先です。必ず壁やテーブルのすぐそばで、いつでもつかまれる状態で行ってください。ご高齢の方、ふらつきが強い方は、どなたかにそばにいてもらってください。
1. 素足になり、まっすぐ立ちます
2. 片方の足を、反対の脚のうしろに軽く添えるように浮かせます
3. 腕は体の横に下ろし、視線は前方の一点へ
4. その姿勢で10秒を数えます
5. 反対側も同じように行います
浮かせた足がついてしまった、腕を振って大きくバランスを取った、体が壁に触れた——このいずれかが起きたら、そこまでです。左右で明らかに差があるかどうかも、あわせて見てみてください。
「10秒」という数字はどこから来たのか
この10秒という区切りは、51〜75歳の1,702名を対象にした研究に由来します(Araujo et al. 2022)。参加者に10秒間の片脚立ちを行ってもらったところ、20.4%の方ができませんでした。
その後、中央値でおよそ7年間の追跡が行われ、期間中に7.2%の方が亡くなりました。内訳を見ると、10秒立てた方では4.6%、立てなかった方では17.5%。年齢・性別・体格・持病といった条件をそろえて計算し直したあとでも、その差は残っていたと報告されています(ハザード比1.84、95%信頼区間1.23〜2.78)。
ここは正確にお伝えします
この結果を「片脚立ちを練習すれば長生きできる」と読むことはできません。理由は2つあります。
1. これは観察した研究です。 ある時点で片脚立ちを測り、その後どうなったかを追いかけた研究であって、片脚立ちの練習をしてもらったグループとしなかったグループを比べたものではありません。10秒立てないことは、筋力・神経系・全身の状態を映している目印であって、それ自体が原因だとは示されていません。体調を崩している方がうまく立てない、という向きの関係も十分あり得ます。
2. 参加者の約7割が男性でした。 このブログを読んでくださっている40〜60代の女性に、そのまま当てはめられる数字ではありません。
それでも紹介する理由は、道具も場所もいらず、その場で試せて、左右差まで分かる指標がほかにあまりないからです。健康状態を占うためではなく、自分の体を定期的に確認する物差しとしてお使いください。
なぜ片脚立ちが体の状態を映すのか
まっすぐ立っているように見えて、人の体は常に前後左右へわずかに揺れています。その揺れを、足の裏の感覚・足首まわりの筋肉・股関節・体幹、そして目と内耳からの情報を使って、絶えず調整しています。
両脚で立っているときは支える面が広いため、多少うまくいかなくても表に出ません。片脚になると支える面が一気に狭くなり、どこが働いていないかが見えやすくなります。だから評価に使いやすいのです。
そして歩くという動作は、実際には片脚で体を支える瞬間の連続です。片脚立ちが不安定な方が、段差や人ごみでふらつきやすいのは、この理由によります。関連する内容は40代からのつまずき・ふらつきでもご紹介しています。
年齢と性別で、どう変わるのか
18〜99歳の健康な549名を対象にした研究では、目を開けた条件でも閉じた条件でも、加齢とともに片脚立ちの時間は明確に短くなることが示されています。一方で、男女の差は認められませんでした(Springer et al. 2007)。
つまり「女性だから苦手」ということではありません。年齢による変化は誰にでも起こるもので、そのうえで同じ年齢でも人によって差が大きい——これが実際のところです。差が生まれる部分にこそ、できることがあります。
片脚立ちを鍛える3段階
いきなり「毎日1分立つ」から始める必要はありません。転んでしまっては元も子もありませんので、安全な段階から順に進めてください。
段階1|支えありで、片脚30秒(左右2回ずつ)
テーブルや壁に両手を添えて片脚立ちを行います。ここでの目的は「耐えること」ではなく、支えている側の足の裏で、体重の位置を感じ取ることです。親指の付け根・小指の付け根・かかとの3点で床をとらえ、その真ん中に体重が乗っている状態を探します。
段階2|支えを減らす(左右2回ずつ)
両手 → 片手 → 指1本 → 手を離す、と少しずつ支えを減らします。ふらついたらすぐ触れられる位置を保ったまま行ってください。この段階で骨盤が横に流れる、体が傾く場合は、お尻の横の筋肉が働いていないことが多くあります。
段階3|条件を変える(左右1〜2回ずつ)
安定してきたら、視線を動かす(左右をゆっくり見る)、やわらかい床の上で行う(クッションやマットの上)といった変化を加えます。日常のふらつきは、平らな床で静かに立っているときではなく、振り向いたとき・不安定な場所・注意がよそに向いたときに起こるためです。
なお、目を閉じて行うのは難易度がかなり上がります。段階3まで安定してからにしてください。
あわせて行いたいこと
片脚立ちの練習だけを増やしても、支える力そのものが足りていなければ頭打ちになります。足の指と足裏(ショートフットのやり方)、ふくらはぎ(カーフレイズのやり方)、そしてお尻の横の筋肉(クラムシェルのやり方)を並行して整えると、土台の側から安定してきます。
こんなときは無理をしないでください
・めまい・立ちくらみがある、目を閉じると強くふらつく
・過去に転倒して骨折したことがある
・脚のしびれや脱力がある
・支えなしで立つこと自体に強い不安がある
これらに当てはまる場合、自己判断で測定や練習を続けるのは避けてください。めまいやふらつきの背景に、耳や血圧、内服薬の影響が関わっていることもあります。まず医療機関にご相談ください。
参考にした主な研究・ガイドライン
・Araujo et al.(2022)コホート研究/British Journal of Sports Medicine(PubMed)
・Springer et al.(2007)横断研究/Journal of Geriatric Physical Therapy(PubMed)
よくある質問
Q. 片脚立ちは何秒できれば大丈夫ですか?
明確な合格ラインがあるわけではありませんが、手がかりのひとつが10秒です。51〜75歳の1,702名を対象にした研究では、10秒間の片脚立ちができなかった方が20.4%いたと報告されています(Araujo et al. 2022)。秒数そのものより、左右で大きな差がないか、以前と比べて短くなっていないかを見るほうが実用的です。
Q. 片脚立ちを練習すれば長生きできますか?
そう言える根拠はありません。紹介した研究は、ある時点で片脚立ちを測ってその後を追いかけた観察研究であり、練習したグループとしなかったグループを比べたものではありません。10秒立てないことは筋力や神経系、全身の状態を映す目印であって、それ自体が原因だとは示されていません。
Q. 女性は男性よりバランスが悪いのですか?
18〜99歳の健康な549名を対象にした研究では、片脚立ちの時間は加齢とともに明確に短くなる一方、男女の差は認められませんでした(Springer et al. 2007)。性別より年齢による変化のほうが大きく、同じ年齢でも個人差が大きいというのが実際のところです。
Q. 毎日どのくらい練習すればいいですか?
回数より安全と段階のほうが大切です。まず支えありで左右30秒を2回ずつ行い、慣れたら支えを両手から片手、指1本へと減らします。安定してきたら視線を動かす、やわらかい床の上で行うといった変化を加えてください。ふらついたらすぐつかまれる位置を必ず保ってください。
Q. 目を閉じて行ったほうがいいですか?
目を閉じると難易度が大きく上がるため、支えなしで安定して立てるようになってからにしてください。転倒の危険が高まりますので、必ず壁やテーブルのそばで、できればどなたかにそばにいてもらった状態で行ってください。めまいのある方は行わないでください。
ふらつきの原因を確かめてから|東海市のパーソナルトレーニングジムTRAD
TRADは、鍛える前に姿勢・動作を評価するところから始めるパーソナルジムです。片脚立ちが不安定な理由は、足の裏・足首・股関節・体幹のどこにあるかで対処が変わります。トレーナーの中森はEBFAベアフットトレーニングスペシャリストとして、足部から順に確認しています。
姿勢カウンセリング付きの無料体験を受付中です。その場での即決はお願いしていませんので、じっくりご検討ください。
TRADパーソナルコンディショニングジム
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