デッドリフトのやり方|腰に悪い、腰に効く、どちらも決めつけない基本の手順|東海市のパーソナルトレーニングジムTRAD

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デッドリフトは、床にある重りを股関節の力で持ち上げる種目です。「腰を痛める種目」と言われることもあれば、「腰痛に効く種目」と紹介されることもあり、正反対の説明を目にした方も多いと思います。研究を読むかぎり、どちらの断定もできません。腰痛のある方を対象にした比較試験では、デッドリフトは低負荷の運動より優れているとは言えませんでした。一方で、背中とお尻を鍛える運動全体を見ると、一般的な運動より良い結果も報告されています。東海市・太田川駅から徒歩4分のTRADパーソナルコンディショニングジムが、手順と段階の進め方をご説明します。

要点まとめ

・デッドリフトは股関節から体を折りたたんで、床の重りを持ち上げる種目です
・腰痛のある70名を対象にした比較試験では、痛みの強さと筋力に群間の差はありませんでした
・同じ試験で、日常の活動・動作のコントロール・筋持久力は、低負荷の運動のほうが良好でした
・8件の研究408名をまとめた分析では、背中とお尻を鍛える運動は一般的な運動より痛み・障害度・筋力で良好でした(ただし痛みは統計的に境界的な結果です)
・ただしその分析はデッドリフト単独の効果を示したものではありません(原典も今後の課題としています)
・始めるときはバーではなく、ヒップヒンジ→軽い重り→バーの順で進めてください
腰が丸まる手前で止めることが、重さより優先です

デッドリフトとはどんな種目か

床にあるバーベルやダンベルを、膝と股関節を曲げた姿勢から立ち上がるようにして持ち上げる種目です。使われるのは主に、お尻(大殿筋)、太もも裏(ハムストリングス)、そして背中を支える筋肉です。

動きの中心は股関節を折りたたむことで、これはヒップヒンジと同じ動作です。荷物を持ち上げる、床の物を拾う、洗濯かごを持ち上げるといった日常動作とそのままつながっています。スクワットが「しゃがんで立つ」なら、デッドリフトは「前に倒して起こす」と考えると分かりやすくなります。

やり方の手順

ここでは、床から持ち上げる基本の形をご説明します。ダンベルまたはケトルベルを想定しています。

1. 足は腰幅に開き、重りを足の中心の真上(すねのすぐ前)に置きます
2. お尻を後ろに引きながら股関節を折りたたみ、膝を軽く曲げて重りを握ります
3. 胸を軽く張り、背中を平らに保ちます。お腹に軽く力を入れます
4. 床を足の裏全体で押すようにして立ち上がります。重りは体の近くを通します
5. 立ち切ったところでお尻を締めます。腰は反らせません
6. 下ろすときは、お尻を後ろに引く動きから始めます。膝から曲げません

回数は6〜10回×2〜3セットが目安です。重さと回数の決め方は筋トレは何回×何セットやればいい?でご説明しています。

よくある崩れ方

腰が丸まる…最も多く、最も止めたい崩れ方です。原因は、太もも裏が硬くて股関節が折りたためないか、重りが重すぎるかのどちらかであることが多くなります。床から持ち上げることにこだわらず、台の上に置いた重りから始めて可動範囲を狭くすると解決することがよくあります。

膝から先に曲がる…しゃがみ込む形になり、スクワットに近くなります。お尻を後ろの壁に向けて引くという順序を先に作ってください。

重りが体から離れる…体から離れるほど腰にかかる負担は大きくなります。すねに沿わせるように通してください。

立ち切ったときに腰を反らせる…上で反らせても得るものはありません。お尻を締めて止めるだけで十分です。

顎が上がる…目線を天井に向けると首と腰が反ります。2〜3m先の床を見るくらいで構いません。

段階の進め方

第1段階:重りを持たずにヒップヒンジの形を覚えます。棒を背中に当てて、後頭部・背中・お尻の3点が離れないかを確認する方法が分かりやすいです。

第2段階台の上に置いた重り(膝の高さ程度)から持ち上げます。可動範囲が狭いので、腰が丸まりにくくなります。

第3段階:ダンベルやケトルベルを床から持ち上げます。

第4段階:バーベルに移ります。バーは床から高さがあるため、実はダンベルを床から拾うより腰が丸まりにくい種目です。

片脚で行う形については片脚デッドリフトのやり方でご説明しています。バランスの要素が入りますので、両脚の形ができてからのほうが進めやすくなります。

研究が示していること

ここからは、この種目について研究で分かっていることをご紹介します。「腰痛に効く」「腰に悪い」という説明を目にしたことがある方は、あわせてお読みください。

1. 腰痛のある人には「低負荷の運動より優れている」とは言えなかった

繰り返す腰痛のある70名を、デッドリフトを中心とした高負荷の運動と、その方に合わせた低負荷の動作コントロール運動のどちらかに無作為に割り付けた試験があります(Aasa et al. 2015)。8週間で12回の指導を受け、どちらの群も痛みの仕組みについての教育を受けました。

両群とも、痛みの強さ・筋力・持久力が群の中で有意に改善しました
・日常の活動を評価する尺度は、低負荷群4.2点、デッドリフト群2.5点で低負荷群が有意に良好でした
痛みの強さは群間で差がありませんでした。筋力も差がありませんでした
・持久力は3つのテストで測られ、そのうち1つは差がなく、残る2つは低負荷群のほうが良好でした
・動作コントロールのテストは、低負荷群が2.9から5.9に改善し、デッドリフト群は3.9から3.1で変化がありませんでした

読み取れることは2つあります。1つは、デッドリフトをしても痛みは改善したということ。もう1つは、それが低負荷の運動より優れていたわけではないということです。「腰痛にはデッドリフト」という説明を、この試験は支持していません。

限界も書いておきます。この試験はエビデンスの水準として高いものではなく(原典の表記でレベル2b-)、対象は「機械的な刺激による痛みが主体」と診断された方に限られています。

2. 背中とお尻を鍛える運動全体には良い結果もある

慢性の腰痛がある方を対象にした8件の研究(408名)をまとめた分析では、背中から腰、お尻にかけての筋肉を鍛えるトレーニングを、一般的な運動やウォーキングと比べています(Tataryn et al. 2021)。

・痛み…標準化平均差 −0.61(95%信頼区間 −1.21〜0.00、p=0.05)
・障害度…−0.53(−0.97〜−0.09、p=0.02)
・筋力…0.67(0.21〜1.13、p=0.004)
有害事象の数に差はありませんでした
・効果は12〜16週続けた場合のほうが、6〜8週より大きいという傾向でした

ここも正直にお伝えします。痛みの信頼区間は上端が0.00に接しており、研究間のばらつきも大きい(痛みでI²=74%)結果です。そして最も大切な点として、原典自身が「今後の研究は、デッドリフトやヒップリフトといった個々の種目の効果と有害事象を比較することに焦点を当てるべき」と書いています。つまり、これはデッドリフトという種目の効果を示した研究ではありません

この2つを合わせると、言えるのは「お尻や背中を鍛えること自体には意味がありそうだが、その手段としてデッドリフトが最良だと示した研究はない」というところまでです。

「持ち上げ方を習えば腰痛を防げる」とは限りません

ここは誤解されやすいところですので、あらためて申し上げます。正しい持ち上げ方の指導が腰痛を予防するかどうかについては、否定的な報告があります。9件の試験・働く方20,101名をまとめたコクランレビューでは、持ち上げ方の指導によって腰痛が減るという結果は得られていません。この点は重い物を持ち上げるとき腰を痛めないためにで詳しくご説明しています。

ではデッドリフトを練習する意味は何かというと、腰痛を防ぐためというより、股関節から折りたたむ動きを使えるようにするためです。日常でその動きが出るようになることと、けがが減ることは、同じではありません。ここを混ぜないほうが誠実だと考えています。

こんなときは無理をしないでください

腰に痛みが出る脚にしびれが出る背中を平らに保てないという場合は中止してください。腰痛の治療中の方、椎間板や脊柱の疾患を指摘されたことがある方は、始める前に主治医にご確認ください。運動指導は医療行為ではありませんので、痛みの原因を判断することはできません。

TRADでのご案内の仕方

TRADでは、いきなりバーベルからは始めません。まず姿勢と動作の評価で、股関節から折りたためるか、太もも裏の硬さはどうか、体幹で支えられているかを確認します。ここが整っていない状態で重さを足すと、腰で持ち上げる形になってしまいます。

そのうえで、その方の可動範囲に合わせて持ち上げる高さから調整します。床から持ち上げることが目的ではありませんので、台の上から始めていただく方も多くいらっしゃいます。完全個室のマンツーマンですので、背中が丸まった瞬間にその場でお伝えできます。

参考にした主な研究・ガイドライン

・Aasa et al.(2015)ランダム化比較試験/Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy(PubMed
・Tataryn et al.(2021)システマティックレビュー+メタ分析/Sports Medicine – Open(PubMed
・Verbeek et al.(2011)コクランレビュー/Cochrane Database of Systematic Reviews(PubMed

よくある質問

Q. デッドリフトは腰に悪いのですか?

そう決めつけられる根拠はありません。繰り返す腰痛のある70名を対象にした比較試験では、デッドリフトを行った群も痛みの強さが群内で有意に改善しています。また、背中とお尻を鍛える運動と一般的な運動を比べた8件の分析でも、有害事象の数に差はありませんでした。ただし、腰が丸まった形で重さを扱えば負担は増えます。フォームが保てる範囲で行ってください。

Q. 腰痛があるのですが、やったほうがよいですか?

「やるべき」とお伝えできる根拠はありません。腰痛のある方を対象にした比較試験では、デッドリフトは低負荷の動作コントロール運動より優れているとは言えず、日常の活動・動作のコントロール・筋持久力では低負荷の運動のほうが良い結果でした。腰痛の治療中の方は、まず主治医にご相談ください。

Q. 何kgから始めればよいですか?

重さより先に、重りを持たない状態で股関節から折りたためるかを確認してください。そのうえで、6〜10回を同じ形で行える重さから始めます。目安としては、最後の2〜3回が「ややきつい」と感じる程度です。腰が丸まるようであれば、重さを下げるか、台の上に置いた重りから持ち上げる形に変えてください。

Q. 床から持ち上げられません。

床から持ち上げることは必須ではありません。太もも裏が硬い方や股関節が折りたためない方は、床まで下ろすと必ず腰が丸まります。膝の高さくらいの台に重りを置いて、そこから持ち上げる形に変えてください。可動範囲が狭くなるだけで、使う筋肉は変わりません。

Q. スクワットとどちらを先にやるべきですか?

どちらが先という決まりはありません。強いて言えば、しゃがむ動きより股関節から前に倒す動きのほうが日常で使う場面が多いため、ヒップヒンジから練習していただくことが多くなります。両方とも、床の物を拾う・立ち座りといった動作につながりますので、最終的には両方行えることを目指します。

姿勢評価つき無料体験は9月末まで|東海市のパーソナルトレーニングジムTRAD

デッドリフトは、フォームが崩れた瞬間に意味が変わってしまう種目です。TRADは、鍛える前に姿勢・動作を評価するところから始める完全個室のパーソナルジムです。太田川駅から徒歩4分、駐車場もございます。姿勢評価つきの体験(約90分)は9月30日のご来店分まで無料で、10月1日以降は2,750円(税込)となります。9月中にご入会の方は入会金11,000円(税込)が0円、トレーニングチケット1回分をお付けします。

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