「筋トレは何回やればいいですか」「何セットが正解ですか」というご質問を、体験のときによくいただきます。結論から申し上げると、回数とセット数に唯一の正解はありません。研究で比較的はっきりしているのは、負荷が軽くても重くても、筋肉の大きさの変化は同程度になりうるということと、週の合計量が同じなら、何日に分けるかは好みで選んでよいということです。東海市・太田川駅から徒歩4分のTRADパーソナルコンディショニングジムが、40〜60代の方が実際に迷わないための決め方をご説明します。
要点まとめ
・厚生労働省のガイドは、成人・高齢者に筋トレを週2〜3日行うことをすすめています
・同じガイドは「週あたりの実施時間が長くなりすぎると逆効果である可能性」にも触れています
・21研究のまとめでは、軽い負荷でも重い負荷でも筋肉の大きさの変化は同程度でした(ただし条件があります)
・1回で最大に挙げられる重さを伸ばしたいなら、重い負荷のほうが有意に有利でした
・週のセット数を増やすほど筋肉は大きくなりますが、その差は数%程度と報告されています
・総量が同じなら、週1回でも週3回でも筋肉の大きさの伸びに差はありませんでした
・迷ったら、全身を、週2〜3日、10回前後がややきついと感じる重さから始めてください
まず、公的なガイドが言っていること
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」には、「成人及び高齢者に、筋トレを週2〜3日実施することを推奨する」と書かれています。ここでいう筋トレには、マシンやダンベルを使うものだけでなく、自分の体重を使う腕立て伏せやスクワットも含まれます。
同じガイドには、あまり知られていない一文もあります。「わずかな実施でも健康増進効果が期待できる一方、週当たりの実施時間が長くなりすぎると逆効果である可能性も示されています」という記述です。ガイドに載っている図から読み取ると、総死亡のリスクは週40分ほどの筋トレで最も低く(リスク比0.83)、週140分ほどでは実施していない場合と同じ1.00に戻っています。心血管疾患の発症についても、週60分ほどで最も低く(0.82)、週130分ほどで1.00に戻ります。
この数字を「たくさんやると危険だ」と読むのは行き過ぎです。もとになっているのは観察研究をまとめたものなので、長時間やっている方の背景にある別の要因を除ききることはできません。ただ、少なくとも多ければ多いほど健康に良い、ではないことは公的なガイドが認めているとお考えください。ガイド自身も、休息日を念頭に置いて週2〜3日という数字を設定したと説明しています。
ちなみに同じガイドによると、国内で筋トレをしている方の割合は40歳代で11%、50歳代で14%、60歳代で9%です。どの年代も1割前後、というのが実際のところです。
負荷は軽くていいのか、重くすべきか
筋肉の大きさは、負荷の幅が広くても同じくらい変わる
21件の研究をまとめたメタ分析があります(Schoenfeld et al. 2017/Journal of Strength and Conditioning Research)。1回で最大に挙げられる重さの60%以下を「低負荷」、60%を超えるものを「高負荷」として比べたところ、結果は次のようになりました。
・1回で最大に挙げられる重さの伸びは、高負荷のほうが有意に大きい
・その場で押し合うような力(等尺性の筋力)の伸びは、両者に差なし
・筋肉の大きさの変化は、両者で同程度
ここでとても大事な条件があります。この分析に組み入れられたのは、すべてのセットを「もうこれ以上挙がらない」という限界まで行った研究だけです。ですので、この結果は「限界まで行った場合には、負荷が軽くても重くても筋肉の大きさの変化は同程度だった」という意味であって、余裕を残して終えた場合にどうなるかは、この分析からは分かりません。
そのうえで申し上げると、私たちは40〜60代で運動が初めての方に、毎回限界まで追い込むことをおすすめしていません。この研究の対象はトレーニングを妨げる病気やけががない方で、期間も6週間以上です。研究の条件を、そのまま日々の練習方針にしてよいわけではありません。
実務としての目安
ここから先は研究の結論ではなく、TRADが現場で使っている目安です。10回前後を行って、最後の2〜3回が「ややきつい」と感じる重さから始めていただくことが多くなります。フォームが崩れる手前で止める、という条件つきです。理由は3つあります。10回前後なら数えやすいこと、限界まで追い込まなくても十分な刺激になること、そして崩れる前に止めれば翌日以降に響きにくいことです。
セット数はどう決めるか
15件の研究・34グループをまとめた分析では、週あたりのセット数が多いほど筋肉は大きくなるという関係が示されています(Schoenfeld et al. 2017/Journal of Sports Sciences)。ただし、その差の大きさは正直にお伝えしておきたいところです。
・週に1セット増えるごとに、増加率にして0.37%の上乗せ
・研究のなかで多いグループと少ないグループを比べたときの差は、増加率にして3.9%
・週5セット未満・5〜9セット・10セット以上という3つに分けた比較は、傾向は見えたものの有意ではありませんでした
「セットを増やせば増えるが、増え方はゆるやか」というのがこの研究の姿です。週に何セットやるかで結果が劇的に変わるわけではないとお考えください。1種目につき2〜3セットから始めて、続けられそうなら少しずつ増やす、で十分です。
週に何回に分けるか
25件の研究をまとめた分析では、週の総量をそろえて比べた場合、週の頻度による筋肉の大きさの差は有意ではありませんでした(Schoenfeld et al. 2019)。原典の結論をそのまま訳すと、一定のトレーニング量に対して、週の頻度は個人の好みで選んでよいというものです。
これは実務的にありがたい結論です。週1回まとめて行う方と、週3回に分ける方で、どちらが正しいということはないということですから、続けられるほうを選べばよいことになります。仕事の都合で日曜しか時間が取れない方も、平日に短く動きたい方も、それぞれのやり方で構いません。
ただし、総量をそろえていない研究だけを見ると高頻度のほうがやや有利で、その差は原典の言葉で「控えめ」と表現されています。週1回にまとめると1日が長くなりすぎるという現実的な問題もありますので、TRADでは週2回を基本にご提案することが多くなります。通う頻度についてはパーソナルジムに通う頻度の目安でもご説明しています。
回数より先に決めたほうがよいこと
ここまで数字の話をしてきましたが、実際に結果を左右するのは回数やセット数ではないことがほとんどです。優先順位をつけるなら、次の順番になります。
1. 全身をまんべんなく…厚生労働省のガイドも「特定の部位を重点的に鍛えるのではなく、胸、背中、上肢、腹、臀部、下肢などの大きな筋群に負荷がかかるような筋トレを全身まんべんなく行いましょう」と書いています。気になる部位だけを鍛える方が非常に多い部分です。
2. フォームが保てる範囲で…膝が内に入る、腰が丸まるといった崩れた形で回数を稼いでも、狙った筋肉は働きません。スクワットのフォームやヒップヒンジのように、まず形を覚えることが先です。
3. 少しずつ負荷を上げる…同じ重さ・同じ回数を続けていると、体はそこで適応を止めます。ガイドでも漸進性過負荷の原則として説明されています。上げ方は重さでも回数でも構いません。
4. 休息日をとる…週2〜3日という推奨には、休む日が含まれています。筋肉痛と超回復もあわせてご覧ください。
こんなときは無理をしないでください
関節に痛みが出る、フォームが保てない、翌日に強い倦怠感が残る場合は、回数や重さを下げてください。高血圧や心疾患で治療を受けている方は、始める前にかかりつけの医師にご確認ください。運動指導は医療行為ではありませんので、痛みの原因を判断することはできません。
TRADでのご案内の仕方
TRADでは、回数やセット数を最初に決めることはしません。まず姿勢と動作を評価し、どの動きが崩れているかを確認してから種目を選びます。同じスクワットでも、足首が硬い方と股関節が使えていない方では、その日に行うことが変わります。
回数は、その方が形を保てる範囲で決めています。「10回できたから次は12回」ではなく、「10回とも同じ形でできたから、次は少し重くする」という順序です。完全個室のマンツーマンですので、崩れた瞬間にその場でお伝えできます。詳しくは姿勢評価とはをご覧ください。
参考にした主な研究・ガイドライン
・厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(情報シート「筋力トレーニングについて」=e-ヘルスネット)
・Schoenfeld et al.(2017)システマティックレビュー+メタ分析/Journal of Strength and Conditioning Research(PubMed)
・Schoenfeld et al.(2017)システマティックレビュー+メタ回帰/Journal of Sports Sciences(PubMed)
・Schoenfeld et al.(2019)システマティックレビュー+メタ分析/Journal of Sports Sciences(PubMed)
よくある質問
Q. 結局、何回×何セットが良いのですか?
研究が示しているのは幅であって、唯一の正解ではありません。始めるときの目安としては、1種目につき10回前後を2〜3セット、それを全身の大きな筋肉に対して週2〜3日、とお考えください。回数より、同じ形で行えているかを優先してください。
Q. 軽い重さでも筋肉はつきますか?
21件の研究をまとめた分析では、軽い負荷でも重い負荷でも筋肉の大きさの変化は同程度でした。ただしこの分析に含まれたのは、すべてのセットを限界まで行った研究だけです。余裕を残して終えた場合にどうなるかは、この分析からは分かりません。なお、1回で挙げられる最大の重さを伸ばしたい場合は、重い負荷のほうが有意に有利でした。
Q. 週1回しか時間が取れません。意味はありますか?
あります。25件の研究をまとめた分析では、週の総量が同じであれば、週の頻度による筋肉の大きさの差は有意ではありませんでした。原典も、週の頻度は個人の好みで選んでよいと結論しています。ただし1日にまとめると1回が長くなりすぎるため、可能であれば週2回に分けるほうが続けやすい方が多い印象です。
Q. 毎日やったほうが早く変わりますか?
おすすめしていません。厚生労働省のガイドは週2〜3日を推奨していて、その理由として休息日をとることの重要性を挙げています。同じガイドには、週あたりの実施時間が長くなりすぎると逆効果である可能性を示した図も載っています。毎日行うより、休む日をはさんで続けるほうが現実的です。
Q. セット数を増やせば増やすほど効果が出ますか?
増える方向ではありますが、差は大きくありません。15件の研究をまとめた分析では、週1セット増えるごとの上乗せは増加率にして0.37%、多いグループと少ないグループの差でも3.9%でした。セット数を増やすことより、続けられる量に収めることのほうが結果につながりやすいと考えています。
姿勢評価つき無料体験は9月末まで|東海市のパーソナルトレーニングジムTRAD
回数やセット数は、その方の体の状態が決まってから初めて意味を持ちます。TRADは、鍛える前に姿勢・動作を評価するところから始める完全個室のパーソナルジムです。太田川駅から徒歩4分、駐車場もございます。姿勢評価つきの体験(約90分)は9月30日のご来店分まで無料で、10月1日以降は2,750円(税込)となります。9月中にご入会の方は入会金11,000円(税込)が0円、トレーニングチケット1回分をお付けします。
その場でのご契約はお願いしていません。内容を見たうえで、じっくりご検討ください。ご予約は公式LINE、または予約サイト(空き状況を見る)から承っています。

