親に運動をすすめたいときは|転倒を防ぐのは「歩くこと」だけではありません|東海市のパーソナルトレーニングジムTRAD

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敬老の日に実家へ帰って、親の歩き方が変わっていることに気づいた——そんなお話を、この時期によくうかがいます。「散歩はしているみたいだから大丈夫かな」と思いたくなるところですが、転倒を防ぐという点では、歩く運動だけでは足りない可能性があります。108件の試験を集めたレビューでは、バランスと日常動作の練習を含むプログラムで転倒の発生率が24%下がった一方、歩く運動だけのプログラムについては「効果がはっきりしない」とされています。東海市・太田川駅から徒歩4分のTRADパーソナルコンディショニングジムが、研究と国の指針から「親世代に何をすすめるとよいのか」を整理します。

要点まとめ

・108件の試験(23,407名)を集めたレビューでは、運動全体で転倒の発生率が23%低下しました
・内訳を見ると、バランスと日常動作の練習が24%複数の種類を組み合わせたものが34%の低下でした
・いっぽう歩く運動だけ・筋トレだけのプログラムは、効果がはっきりしないと判定されています
・厚生労働省のガイドでも、高齢者には筋力・バランス・柔軟性などを組み合わせた運動を週3日以上筋力トレーニングを週2〜3日が推奨されています
・身体活動の目安は1日40分以上(約6,000歩以上)。これを満たすと総死亡・心血管疾患死亡のリスクが30%程度低いと示されています
・ただし6,000歩に届かない方のほうが多数派です(75〜84歳では男性32%・女性22%)
・目安に届かなくても、今より10分多く動かすことが推奨されています(プラス・テン)

「歩いているから大丈夫」と言えるのか

ご家族に運動をすすめるとき、いちばん出やすいのが「散歩でもしたら」という言葉です。悪い提案ではありません。ただ、転倒を防ぐという目的に限ると、研究の結果はもう少し込み入っています

108件の試験をまとめたレビュー

地域で暮らす60歳以上の方を対象に、運動が転倒を防ぐかどうかを調べた試験を集めたレビューがあります(Sherrington et al. 2019)。25か国から108件のランダム化比較試験、23,407名が対象です。参加者の平均年齢は76歳、77%が女性でした。

・運動(すべての種類)と対照を比べると、転倒の発生率は23%低下しました(率比0.77、95%信頼区間0.71〜0.83、確実性の高い証拠)
・1年間に1,000人が850回転ぶという想定で計算すると、195回少なくなる計算になります
・1回以上転んだ人の数も15%減少しました(リスク比0.85、0.81〜0.89)

ここまでは「運動をすればよい」という話です。問題はその先で、運動の種類によって結果が違いました(種類の違いを調べた検定でp=0.004)。

バランスと日常動作の練習…転倒の発生率が24%低下(0.76、0.70〜0.81、確実性の高い証拠)
複数の種類を組み合わせたもの(多くはバランス・日常動作+筋力トレーニング)…34%低下(0.66、0.50〜0.88、確実性は中程度)
太極拳…19%低下(0.81、0.67〜0.99、確実性は低い)
筋力トレーニングだけ、ダンス、歩く運動効果は不確かと判定されました

原典の結論はこうです。「転倒を減らす運動プログラムは、主にバランスと日常動作の練習を含むものです。筋力トレーニング単独・ダンス・歩行の効果については、確信が持てません」

誤解のないように書き添えますが、これは「散歩に意味がない」という意味ではありません。歩くことには別の健康上の価値があります。ただ「転ばない体をつくる」という目的で見ると、歩くことだけでは確かめられていない、ということです。

安全性についても書かれています

同じレビューでは、有害事象が27件の試験(6,019名)で何らかの形で報告されています。14件の試験では有害事象の報告がありませんでした。重い有害事象として報告されたのは1件の試験の2例(骨盤の疲労骨折1例、そけいヘルニアの手術1例)で、残りは筋肉や関節に関する軽いものでした。運動群での件数は試験あたり中央値3件(範囲1〜26件)です。

国はどう推奨しているのか

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」には、高齢者版の推奨がまとめられています。実際の記述はこうです。

3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上。具体的には歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上に相当)
筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を、週3日以上
筋力トレーニングを週2〜3日(多要素な運動に含めてもよい)
座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する
・身体機能が低下している方については、安全に配慮し、転倒等に注意する

「多要素な運動」というのは聞き慣れない言葉かもしれません。ガイドでは有酸素運動・筋力トレーニング・バランス運動などを組み合わせた運動や、体操・ダンス・ラジオ体操・ヨガのような多様な動きを伴う運動と説明されています。この推奨は、先ほどのレビューの結果と同じ方向を向いています。

健康効果については、多要素な運動を主体としたプログラムで転倒リスクが12〜32%、転倒・骨折のリスクが15〜66%低減したと書かれています。根拠となった試験の頻度は週3日が最も多く採用されていました

目安に届いている方は、実は多くありません

同じガイドには、国民健康・栄養調査(2017〜2019年の3年分を統合)から、1日6,000歩以上歩いている高齢者の割合が示されています。

・男性…65〜74歳で45%、75〜84歳で32%、85歳以上で11%
・女性…65〜74歳で38%、75〜84歳で22%、85歳以上で5%

つまり75歳を超えると、目安に届いている方のほうが少数派です。ご家族の歩数が6,000歩に届いていなくても、それは特別なことではありません。ここを知っておくと、責めるような言い方をせずに済みます。

目安に届かないときの考え方

ガイドには、届かない場合についても明記があります。高齢者版のQ&Aには「毎日6,000歩も歩けそうにありません」という問いが立てられていて、答えはこうです。

「毎日6,000歩は歩けなくても、少しでも身体活動をした方が健康によいことがわかっています。まずは今よりも10分多く身体活動をするように心がけましょう(プラス・テン:+10)」

成人版の根拠の項には、1日あたり10分の身体活動を増やすことで、生活習慣病の発症や死亡リスクが約3%低下すると推測されると書かれています。また高齢者版には、推奨量(週15メッツ・時)を満たす方は、ほとんど身体活動を行わない方と比べて総死亡および心血管疾患死亡のリスクが30%程度低いこと、そして日頃の身体活動が少ない方ほど、少し増やしたときの低下の程度が大きいことが示されています。

ここは、ご家族に伝えるときに使いやすい事実だと思います。「6,000歩できないならやっても無駄」ではなく、少ない方ほど、増やしたぶんの見返りが大きいということですので。

何からすすめるとよいか

研究と指針から共通して言えるのは、歩くことに「バランス」と「筋力」を足すということでした。難しい器具は要りません。TRADで60代・70代の方にお伝えしている、家でできる形をご紹介します。いずれも、必ず手すりや椅子など支えのあるところで行ってください。

1. 支えありの片脚立ち…台所や洗面所で、片手を台につけたまま片脚を軽く浮かせます。左右10〜20秒ずつから。ふらつく方は、指先を触れる程度の支えから始めます
2. 椅子からの立ち座り…座面の高い椅子から、手を使わずに立って座ります。5回×2セットほど。手を使わないと立てない場合は、高さのある座面や、手を添える形で構いません
3. かかと上げ…椅子の背を持って、かかとをゆっくり上げて下ろします。10回程度。ふくらはぎは歩く速さと関係の深い筋肉です
4. 前後・横への足踏み…支えのある場所で、前後左右に一歩ずつ踏み出して戻ります。バランスの練習になります

やり方の詳しい説明は、片脚立ちは何秒できますか?カーフレイズのやり方でご紹介しています。今の状態を測っておきたい方はロコモ度テストのやり方が目安になります。

すすめ方でつまずくとき

ここからは研究ではなく、現場でうかがってきたことです。ご家族に運動をすすめる場面で多いのは、次の3つでした。

「心配だから」が伝わらない…「もう歳なんだから」と言われると、ご本人には否定に聞こえることがあります。目的を「転ばないため」ではなく「来年も一緒に出かけるため」に置き換えると、受け取られ方が変わることがあります
目標が高すぎる…いきなり6,000歩や週3回を持ち出すと、最初から諦めてしまいがちです。プラス・テンのように今より少しから始めるほうが現実的です
一人ではやらない…帰省したときに一緒にやってみる、電話で「今日はやった?」と聞くだけでも違います。夫婦・親子で通うペアトレーニングという選択肢もあります

先に医療機関へご相談いただきたい場合

すでに転んだことがある立ちくらみやめまいがある足にしびれや力の入りにくさがある胸の痛みや息切れがある服用中のお薬が増えた——こうした場合は、運動を始める前にかかりつけの医療機関にご相談ください。転倒の背景には、運動以外の要因(お薬・視力・血圧・住環境など)が関わることもあります。

TRADは運動指導を行う施設であり、医療機関ではありません。痛みや病気の原因を判断することはできませんし、この記事も診断の代わりになるものではありません。

TRADでのご案内の仕方

TRADには、60代・70代でお越しになる方がいらっしゃいます。始めるときにまず行うのは、姿勢と動作の評価です。支えなしで何秒立てるか、椅子からどう立ち上がるか、足首や股関節がどこまで動くか。ここが分かると、バランスから始めるのか、筋力から始めるのかが決まります。

完全個室ですので、周りの方と比べられることはありません。東海市・太田川駅から徒歩4分、駐車場もございますので、ご家族が送迎される形でお越しになる方もいらっしゃいます。年代に関するご不安はパーソナルジムは何歳まで通える?もあわせてご覧ください。

参考にした主な研究・ガイドライン

・Sherrington et al.(2019)システマティックレビュー+メタ分析/Cochrane Database of Systematic Reviews(PubMed
・厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート:高齢者版(e-ヘルスネット
・厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート:成人版(e-ヘルスネット

よくある質問

Q. 親は毎日散歩しています。それだけでは足りないのでしょうか。

転倒を防ぐという目的に限ると、歩く運動だけの効果は確かめられていません。108件の試験を集めたレビューでは、バランスと日常動作の練習を含むプログラムで転倒の発生率が24%低下した一方、歩く運動だけのプログラムについては効果が不確かと判定されています。散歩に意味がないという意味ではありませんので、散歩は続けたうえで、支えありの片脚立ちや椅子からの立ち座りのような練習を足していただくのがよいと思います。

Q. 高齢の親には、どのくらいの運動が推奨されていますか。

厚生労働省のガイド2023では、高齢者について、歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上に相当)、筋力・バランス・柔軟性などを組み合わせた多要素な運動を週3日以上、筋力トレーニングを週2〜3日が推奨されています。あわせて、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにとも書かれています。

Q. 6,000歩なんてとても歩けません。意味がないのでしょうか。

そんなことはありません。同じガイドには「毎日6,000歩は歩けなくても、少しでも身体活動をした方が健康によいことがわかっています。まずは今よりも10分多く身体活動をするように心がけましょう」と書かれています。1日あたり10分増やすことで、生活習慣病の発症や死亡リスクが約3%低下すると推測されており、日頃の身体活動が少ない方ほど、増やしたときの低下の程度は大きいとされています。

Q. 高齢の親に運動をさせて、かえって転ばせてしまわないか心配です。

ご心配はもっともです。108件の試験を集めたレビューでは、有害事象が何らかの形で報告されたのは27件の試験で、14件の試験では報告がありませんでした。重い有害事象は1件の試験で2例、残りは筋肉や関節に関する軽いものでした。ただし、すでに転んだことがある、めまいがある、足にしびれがあるといった場合は、運動を始める前にかかりつけの医療機関にご相談ください。ご自宅で行う場合は、必ず手すりや椅子など支えのあるところで行ってください。

Q. 本人が乗り気ではありません。どう伝えればよいでしょうか。

これは研究というより現場での経験になりますが、「転ばないために」という言い方はご本人には否定に聞こえることがあります。「来年も一緒に出かけたいから」のように、目的のほうを言葉にすると受け取られ方が変わることがあります。目標も、いきなり週3回ではなく今より10分から。一緒にやってみる、電話で聞いてみるといった関わりも後押しになります。ご家族で一緒に通われる形をとる方もいらっしゃいます。

姿勢評価つき無料体験は9月末まで|東海市のパーソナルトレーニングジムTRAD

バランスから始めるのか、筋力から始めるのか。それは測ってみないと決まりません。TRADは、鍛える前に姿勢・動作を評価してから進める完全個室のパーソナルジムです。太田川駅から徒歩4分、駐車場もございますので、ご家族の送迎でお越しになる方もいらっしゃいます。姿勢評価つきの体験(約90分)は9月30日のご来店分まで無料で、10月1日以降は2,750円(税込)となります。9月中にご入会の方は入会金11,000円(税込)が0円、トレーニングチケット1回分をお付けします。

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