筋トレで脚は太くなる?|20週間続けた女性24名で、太ももの太さは変わりませんでした|東海市のパーソナルトレーニングジムTRAD

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「筋トレをすると脚が太くなりませんか」。40〜60代の女性から、いちばん多くいただくご質問です。先に、いちばん直接的な答えになる研究をご紹介します。女性24名が20週間、フルスクワットやレッグプレスを限界まで行う本格的なトレーニングを続けた研究では、筋線維の断面積が15〜57%も大きくなったにもかかわらず、太ももの周囲には全体的な変化がありませんでした。同時に体脂肪率は下がり、除脂肪体重は増えていました(Staron et al. 1990)。太さを気にされるお気持ちを否定するつもりはありません。ただ、心配で始められないのはもったいないので、東海市・太田川駅から徒歩4分のTRADパーソナルコンディショニングジムが、数字で整理してご説明します。

要点まとめ

・女性24名が20週間・週2回、6〜8回で限界がくる重さで脚を鍛えた研究では、筋線維が15%・45%・57%大きくなりました(Staron et al. 1990)
・🔑 それでも太ももの周囲には全体的な変化がなく、体脂肪率は有意に減り、除脂肪体重は有意に増えました(同研究)
・つまり「中身が入れ替わって太さは変わらない」ということが起こります
・始めた直後に太くなった気がするのは、筋肉のむくみ(浮腫)が混ざっている可能性があります。研究者自身がそう指摘しています(DeFreitas et al. 2011)
・筋肥大の反応に男女差はありませんでした(効果量0.07、P=0.31)。むしろ上半身の筋力の伸びは女性のほうが大きいという結果でした(Roberts et al. 2020)
・閉経後の女性を対象にした101件・5,697名のまとめでは、運動で筋量が増え、脂肪量・体脂肪率・腹囲・内臓脂肪が減りました。脂肪には有酸素、筋量には筋トレという役割分担が示されています(Khalafi et al. 2023)
・「脚だけ細くする」は支持されていません。片腕だけ鍛えた研究で、MRIでは皮下脂肪に差が出ませんでした(Kostek et al. 2007)

いちばん直接的な答え|筋線維は太くなり、太ももの太さは変わらなかった

1990年に発表された研究です。古いものですが、今回のご質問にもっとも正面から答えています。

女性24名が20週間の高強度レジスタンストレーニングを行いました。内容は週2回で、ウォームアップのあとにフルスクワット・垂直レッグプレス・レッグエクステンション・レッグカールを各3セット。しかも6〜8回で限界がくる重さ(6〜8RM)で、毎セット限界までという、かなり本格的なものです。「女性向けの軽い運動」ではありません。

結果はこうでした。

・各種目の最大挙上重量(1RM)が有意に増加
・体脂肪率が有意に減少(p<0.05)
・除脂肪体重が有意に増加(p<0.05)
・🔑 太ももの周囲(thigh girth)には全体的な変化なし
・筋線維の断面積はタイプI 15%/タイプIIA 45%/タイプIIAB+IIB 57%と有意に肥大

顕微鏡で見れば筋線維は明らかに大きくなっているのに、メジャーで測った太ももの太さは変わらなかったのです。理由はおそらく単純で、筋肉が増えたぶん、脂肪が減ったためです。中身が入れ替わって、外側の寸法はそのまま。これが実際に起きていることです。

この論文は、著者自身が「これらのデータは男性と同様であり、運動の強度と期間が十分であれば、女性でも主要な筋線維すべてでかなりの肥大が可能であることを示している」と述べています。つまり「女性は筋肉がつきにくい」という話でもありません。筋肉はつきます。それでも太さは変わらなかった、というのがこの研究の意味です。

⚠️ 限界も書いておきます。24名という小さな規模で、対照群を置いた比較ではありません。太ももの周囲はメジャーで測る大まかな指標です。抄録には年齢の記載がないため、40〜60代の方のデータとは言えません。

「始めてすぐ太くなった気がする」の正体

実際には、運動を始めて1〜2週間で「脚が張った」「パンパンになった」と感じる方がいらっしゃいます。これは気のせいではありません。

座りがちな生活をしていた男性25名が8週間の高強度トレーニングを行い、毎週、太ももの筋横断面積を測定した研究があります。するとわずか2回のセッションを終えた1週目の時点で、筋横断面積が5.0cm²(3.46%)増えていました(DeFreitas et al. 2011)。

🔑 ここで大事なのは、研究者自身が「筋のむくみ(浮腫)が初期の結果に影響した可能性がある」と書いていることです。実際、浮腫が1週目に最大だったと仮定して調整すると、そこから次に有意な増加が見られたのは3週目でした。筋力(最大随意収縮)が有意に増えたのは4週目からです。

つまり最初の数週間の「太くなった感じ」には、筋肉の成長ではなく一時的な水分が含まれている可能性があるということです。ここで「やっぱり太くなった」とやめてしまうのは、いちばん惜しい判断です。

⚠️ この研究は男性のみが対象です。また、この論文の解釈には複数の反論となるコメント論文が発表されており、決着していません。「初期の増加はむくみだ」と断定できるわけではないので、可能性として受け取ってください。

筋肉が増える速さは、思われているほど速くありません

同じ研究から、期間の目安も分かります。8週間でのトータルの増加は13.9cm²(9.60%)でした。これは高強度のトレーニングを8週間続けた男性の数字です。

この数字をどう受け取るかです。9.6%は決して小さくありませんが、太ももの断面積の1割です。周囲の長さに換算すれば、さらに小さな変化になります。そして先ほどのStaronの研究のように、脂肪が減ればその差は打ち消されます。

ボディビルダーのような脚になるには、何年もの期間と、専門的な食事管理と、それに向けた種目の選択が必要です。週2回のパーソナルトレーニングで意図せずそうなることは、まず起きません。

女性はすぐムキムキになるのか

ここも数字で確認します。同じトレーニングプロトコルを行ったときの男女の反応を比べたシステマティックレビュー・メタアナリシスがあります(Roberts et al. 2020)。対象は若年から中年の男女です。

・筋肥大(10研究・12アウトカム)……男女に有意な差なし(効果量0.07±0.06、P=0.31、研究間のばらつきI²=0)
・上半身の筋力(17研究・19アウトカム)……女性に有利な有意差(効果量−0.60±0.16、P=0.002)
・下半身の筋力(23研究・23アウトカム)……有意な差なし(効果量−0.21±0.16、P=0.20)

読み方はこうです。元の大きさに対する伸びの割合で見ると、筋肉のつき方に男女差はありません。そして上半身の筋力については、女性のほうが伸びが大きかったのです。「女性だから筋肉がつかない」も「女性だからすぐムキムキ」も、どちらも正確ではありません。

⚠️ 注意点です。これは相対的な伸び(割合)の話です。もともとの筋肉の量が違えば、増える絶対量は変わります。また対象は若年〜中年で、60代以降のデータではありません。

閉経後でも、体の中身は変わります

「この年齢から始めても意味があるのか」というご質問にもお答えします。

閉経後の女性を対象にした無作為化比較試験101件・5,697名をまとめた研究では、運動によって筋量・筋および筋線維の断面積・除脂肪量が増え、脂肪量・体脂肪率・腹囲・内臓脂肪が減ったと報告されています(Khalafi et al. 2023)。

🔑 そして役割分担が示されています。脂肪の指標には有酸素運動と組み合わせのほうが大きな効果、筋量の指標には筋力トレーニングと組み合わせのほうが大きな効果でした。結論は「有酸素運動は脂肪の減少に、筋力トレーニングは筋量の増加に効果的で、両者の組み合わせが体組成を改善する有効な方法になりうる」というものです。

「脚を細くしたい」という目的であれば、筋トレをやめるのではなく、歩く量を足すほうが理にかなっているということになります。更年期の体重増加に運動が効く理由もあわせてご覧ください。

「脚だけ細くしたい」が難しい理由

部分痩せについての研究もご紹介します。104名(男性45名・女性59名)が利き手でないほうの腕だけを12週間鍛え、鍛えた腕と鍛えていない腕の皮下脂肪を比べた研究です(Kostek et al. 2007)。

皮下脂肪厚をキャリパーで測ると、男性では鍛えた腕のほうが減っていました(P<0.01)。ところがMRIで測ると、全体でも男女別でも、腕の間に差はありませんでした(P>0.05)。より精密な方法で見ると、部分痩せは確認できなかったということです。

⚠️ これは腕で調べた研究で、脚で同じことを確かめたものではありません。それでも「その部位を動かせばそこの脂肪が減る」という考え方は、支持されていないとお考えください。脂肪は全体から減っていきます。

では、見た目はどういう順番で変わるのか

ここまでの研究を並べると、おおよその順番が見えてきます。

最初の1〜2週……張った感じ、重い感じが出ることがあります。一時的な水分が混ざっている可能性があります。太さの判断はまだできません。

3〜4週……筋肉と筋力に変化が出始める時期です(DeFreitasの研究で有意な変化が見られたのがこのあたりです)。ただし見た目で分かるほどではありません。

2〜3か月……体脂肪が減り始めると、太さは「変わらない」か「わずかに減る」方向に動くことが多くなります。同時に体重が減らないことがあります。筋肉のほうが重いためです。

半年前後……Staronの研究の20週がこのあたりです。中身が入れ替わり、寸法は大きく変わりません。姿勢が変わることで見た目の印象が変わる方もいらっしゃいます。

⚠️ これは複数の研究を並べたおおよその目安で、この順番を直接検証した研究があるわけではありません。個人差も大きいものです。

それでも太くなったと感じるときに、確かめたいこと

実際に「太くなった」とご相談いただいたとき、こちらで確認するのは3つです。

1. 体重が増えていないか。食事量が増えていれば、脂肪が増えます。筋トレをしているかどうかとは別の問題です。

2. 一時的なものではないか。運動した日の夜と、翌日の朝では違います。測るなら、同じ曜日・同じ時間・同じ条件にしてください。

3. 本当に太くなっているのか。ここがいちばん多いところです。鏡と感覚だけで判断されていることがほとんどです。メジャーで測ってみると変わっていない、あるいは減っていることが少なくありません。

ですので、ご心配な方には始める前に太ももの周囲を測っておくことをおすすめしています。膝の上から何cmの位置で測るかを決めて、メモしておくだけです。これがあると、不安に根拠があるかどうかがはっきりします。

東海市のTRADでは、こうお伝えしています

TRADには「太くなるのが不安で筋トレを避けてきた」という方が実際にいらっしゃいます。40〜60代の女性が多いジムですので、この不安は珍しいものではありません。

お伝えしているのは2つです。1つは意図せずそうなることはまず起きないということ。もう1つは測っておきましょうということです。

そして、そもそもTRADは姿勢・動作の評価から始めて、整えてから負荷を上げる進め方です。最初から脚を追い込む種目を並べることはしません。股関節や足首が動く範囲、お尻が働いているか、体重のかかり方を見てから、順番を決めます。スクワットはどこまでしゃがむ?のような基本の確認も、この段階で行います。

なお、TRADが行うのは運動指導・コンディショニングです。病気の治療や、体重を必ず落とすことをお約束するものではありません。持病がある方は、運動の内容について主治医にご相談ください。

よくある質問

Q. 筋トレをすると脚が太くなりますか。

意図せず太くなることは、まず起きにくいと考えられます。女性24名が20週間、6〜8回で限界がくる重さでフルスクワットやレッグプレスを週2回行った研究では、筋線維の断面積が15〜57%大きくなったにもかかわらず、太ももの周囲には全体的な変化がありませんでした。同時に体脂肪率は減り、除脂肪体重は増えています。筋肉が増えたぶん脂肪が減るため、寸法としては変わりにくいということです。ただし24名の研究で、年齢の記載がない点はご承知ください。

Q. 始めてすぐ脚が張ってきました。太くなったのでしょうか。

一時的なものである可能性があります。男性25名を毎週測定した研究では、2回のセッションを終えた1週目で太ももの筋横断面積が3.46%増えていましたが、研究者自身が「筋のむくみが影響した可能性がある」と記しています。むくみを考慮して調整すると、次に有意な増加が見られたのは3週目でした。ただしこの研究は男性のみが対象で、解釈をめぐる反論も出ており決着していません。数週間でやめずに、2〜3か月の時点でメジャーを当てて判断していただくのが確実です。

Q. 女性は男性よりムキムキになりにくいのですか。

割合で見ると差はありませんでした。同じトレーニングプロトコルでの男女の反応を比べたメタアナリシスでは、筋肥大に有意な性差がなく(効果量0.07、P=0.31)、上半身の筋力の伸びはむしろ女性に有利な有意差がありました(効果量−0.60、P=0.002)。ですので「女性は筋肉がつかない」も正確ではありません。ただしこれは元の大きさに対する割合の話で、増える絶対量は元の筋肉量によって変わります。対象は若年から中年で、60代以降のデータではありません。

Q. 脚を細くしたいなら、有酸素運動だけのほうがいいですか。

どちらかではなく、組み合わせが勧められています。閉経後の女性を対象にした101件・5,697名のまとめでは、脂肪量・体脂肪率・腹囲・内臓脂肪の改善には有酸素運動と組み合わせのほうが大きな効果があり、筋量の指標には筋力トレーニングと組み合わせのほうが大きな効果がありました。結論は両者の組み合わせが有効な方法になりうる、というものです。ですので筋トレをやめるのではなく、歩く量を足すという考え方のほうが理にかなっています。

Q. 脚だけ部分的に細くできますか。

支持されていません。104名が利き手でないほうの腕だけを12週間鍛えた研究では、皮下脂肪厚をキャリパーで測ると男性では鍛えた腕のほうが減っていましたが、より精密なMRIで測ると全体でも男女別でも腕の間に差がありませんでした。腕で調べた研究なので脚に同じとは言えませんが、「動かした部位の脂肪が先に減る」という考え方は確認されていないとお考えください。脂肪は全体から減っていきます。

参考にした主な研究・ガイドライン

・Staron RS et al.(1990)介入研究/European Journal of Applied Physiology and Occupational Physiology(PubMed)
・DeFreitas JM et al.(2011)介入研究/European Journal of Applied Physiology(PubMed)
・Roberts BM et al.(2020)システマティックレビュー・メタアナリシス/Journal of Strength and Conditioning Research(PubMed)
・Khalafi M et al.(2023)システマティックレビュー・メタアナリシス/Frontiers in Endocrinology(PubMed)
・Kostek MA et al.(2007)介入研究/Medicine & Science in Sports & Exercise(PubMed)

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