腰痛があるときにウォーキングはしていい?|再発予防の研究と、歩く量の増やし方|東海市のパーソナルトレーニングジムTRAD

腰痛があるときのウォーキングと歩く量の増やし方を解説する記事のサムネイル。東海市のパーソナルトレーニングジムTRAD

「腰が痛いのに歩いて大丈夫でしょうか」「腰痛をくり返さないために、どれくらい歩けばいいですか」。どちらも、TRADでよくいただくご質問です。先に結論をお伝えします。安静にしていても痛い・しびれがある・熱があるといった状態でなければ、腰痛があっても普段の活動を保ち、無理のない範囲で歩くことは選択肢になります。腰痛から回復した方を対象にした研究では、指導を受けながら段階的にウォーキングを続けたグループで、生活に支障が出る再発までの期間が長くなりました(中央値112日→208日)。ただし「歩けば腰痛がよくなる」と言い切れる研究ではありません。この記事では、東海市・太田川駅から徒歩4分のTRADパーソナルコンディショニングジムが、研究で分かっていることと、歩く量の増やし方をご説明します。

要点まとめ

・安静でも痛みが軽くならない・しだいに悪化する・発熱・脚のしびれや力が入らない・尿もれがあるときは、歩く前に整形外科を受診してください(日本整形外科学会)
・急な腰痛でも、動けるなら安静にするより普段の活動を保つほうが、わずかに良いという結果が出ています
・腰痛から回復した701人の研究では、指導つきの段階的ウォーキング+教育で、再発までの期間の中央値が112日から208日に延びました
・その研究の進め方は「週3回から始める→先に回数を増やす→速さや坂は後」で、週5回・1回30分は最後の目標です
・慢性腰痛では、歩くことと他の運動の効果は同じくらいでした。歩くことが特別に優れているわけではありません
・「何点の痛みまでなら歩いてよい」という基準は、確認できる根拠がありません。痛みが強まるときは減らし、続くときは受診してください

まず確かめたいこと|歩く前に受診したほうがよいサイン

最初にお伝えしておきたいのは、歩いてよいかどうかより先に、医療機関で確かめたほうがよい状態があるということです。

日本整形外科学会は、腰痛のうち次のような症状を伴う場合は、すみやかに整形外科を受診するよう呼びかけています。

・安静にしていても痛みが軽くならない
・痛みがしだいに悪化する
・発熱している
・脚がしびれる、力が入らない
・尿もれがする

これらに当てはまる場合は、ウォーキングを始める前に受診してください。TRADは運動指導とコンディショニングを行うジムで、腰痛の原因を診断したり治療したりすることはできません。

腰が痛いとき、安静と歩くのはどちらがよいのか

「腰が痛いときは安静に」と言われた経験のある方も多いと思います。ところが、急な腰痛について調べた研究のまとめ(Dahm et al., 2010)では、動ける範囲で普段の活動を続けるよう助言された人のほうが、安静を指示された人より、痛みと動きやすさがわずかに良かったという結果が出ています。

ただし、その差は「わずか」です。また、脚に痛みやしびれが走るタイプ(坐骨神経痛)では、安静と活動で差はほとんどありませんでした。強い痛みやしびれがあるのに、無理をして歩くことをすすめる根拠にはなりません。

海外の腰痛の診療ガイドラインを横断的にまとめたレビュー(Foster et al., 2018)でも、腰痛についての説明と自己管理、普段の活動や運動の再開を最初の対応としてすすめる方向で、多くのガイドラインが一致していると報告されています。動けるなら、少しずつでも普段の生活を保つ。これが、今の考え方の基本です。

腰痛をくり返さないために|WalkBack試験で分かったこと

ウォーキングと腰痛について、いま最もよく引用されるのが、オーストラリアで行われたWalkBack試験(Pocovi et al., 2024)です。

対象は、腰痛からちょうど回復したばかりの成人701人(女性81%、平均54歳)です。半分の方は、理学療法士との6回のセッションを受けながら、6か月かけて個別にウォーキングの量を増やし、あわせて腰痛についての説明を受けました。もう半分の方は、特別なことをしませんでした。

その結果、生活に支障が出るほどの腰痛が再発するまでの日数(中央値)は、何もしなかったグループが112日、ウォーキングのグループが208日でした。再発の起こりやすさで見ると、およそ3割低いという結果です。

この研究は、ニュースなどで「再発までの期間が約2倍」と紹介されることがあります。数字としてはそのとおりですが、読むときに気をつけたい点が4つあります。

・いま痛い方の痛みを減らす研究ではありません。腰痛から回復した方の再発を見た研究です
・「歩くだけ」ではありません。専門家の指導6回と、腰痛についての説明(痛みへの怖さを減らす内容など)がセットになっています
・再発がなくなったわけではありません。ウォーキングのグループも、中央値では208日で再発しています
・再発したときの差は小さめでした。同じ研究の追加の解析(Pocovi et al., 2025)では、再発後の回復までの日数は中央値で3日と4日、いちばん強いときの痛みは10点満点で0.34点低いだけで、著者自身も「効果は小さく、臨床的な意味ははっきりしない」と述べています

つまり、「腰痛が落ち着いたあと、歩く習慣を段階的に作っていくことは、再発までの時間を延ばすひとつの方法になりうる」というのが、この研究から言える範囲です。

どのくらい歩けばよいのか|研究で使われた進め方

WalkBack試験の計画書(Pocovi et al., 2020)には、ウォーキングの進め方が書かれています。ポイントは次の3つです。

1. 週3回から始める。最初の量は、その方がもともとどれくらい歩いているか、年齢や体格に合わせて個別に決められていました。最初から毎日30分、ではありません。

2. 先に「回数」を増やし、「強さ」は後にする。まず週5回以上に近づけ、そのあとで速く歩く、坂や階段を入れるといった強さを足していきます。

3. 最終目標は「週5回・1回30分以上」。これは6か月かけてたどり着く目標です。歩数計と記録を使って、少しずつ近づけていく形でした。

なお、この研究では、何らかの体の不調(有害事象)があった人の割合は、ウォーキングのグループ52%、何もしなかったグループ54%で同じくらいでした。ただし、脚まわりの不調はウォーキングのグループで多く報告されています(100件と54件)。歩く量を増やすと、足や膝、すねなどに負担が出ることはありえます。一気に増やさないことが大切です。

TRADが提案する始め方

研究の進め方を、40〜60代の方が日常で取り入れやすい形にすると、次のようになります。

・最初の1〜2週:いまの生活の歩く量はそのままに、週3回、10〜15分の散歩を足します
・3〜6週:時間はそのままで、回数を週4〜5回に増やします
・7週目以降:1回の時間を少しずつ延ばし、30分に近づけます
・そのあと:慣れてきたら、少し速く歩く、ゆるい坂を入れるなど強さを足します

これは研究そのものの手順ではなく、研究の考え方(回数が先、強さは後)をもとにTRADが目安として組んだものです。歩いたあと、または翌日に腰の痛みが強まる、脚にしびれが出るといった場合は、1つ前の段階に戻してください。それが続く場合は、受診をおすすめします。

正直にお伝えすると、「痛みが10点中何点までなら歩いてよい」「何分で中止」といった基準は、今回確認した学会の資料や研究の中に見当たりませんでした。インターネット上にはそうした基準も見かけますが、根拠を確かめられないため、この記事では書いていません。

ウォーキングだけで腰痛はよくなるのか

慢性腰痛の方を対象に、ウォーキングと他の運動を比べた研究のまとめ(Vanti et al., 2019)では、痛み・生活の支障・生活の質のいずれも、ウォーキングと他の運動は同じくらいの改善でした。ウォーキングが特に優れているわけではありませんが、他の運動の代わりになりうる、という結論です。

運動全般で見ると、249件の研究をまとめたコクランレビュー(Hayden et al., 2021)では、運動は慢性腰痛の痛みを、何もしない場合などに比べて100点満点で平均15点ほど下げていました(中程度の確実性)。いっぽうで、生活の動きやすさへの効果は平均7点ほどで、意味のある差とされる目安には届いていません。

また、腰痛の予防について調べた研究のまとめ(Steffens et al., 2016)では、運動と腰痛についての説明を組み合わせると、腰痛が起こるリスクがおよそ45%低くなっていました。反対に、説明だけ、腰ベルトだけ、靴の中敷きだけでは予防の効果は見られませんでした。

まとめると、ウォーキングは「続けやすい運動の選択肢のひとつ」です。歩くことだけで十分とは限らず、お尻や体幹、股関節を使う運動と組み合わせるほうが、体の土台としては厚くなると考えています。お尻の筋力と腰の関係はお尻の筋力低下が腰痛を招く理由、股関節との関係は股関節が硬いと腰痛が起こる仕組みでご説明しています。

よく歩く人ほど腰痛が少ない?|観察研究の読み方

ノルウェーで1万1,194人を平均4.2年追いかけた研究(Haddadj et al., 2025)では、日常生活で歩いている時間が1日78分未満の人に比べて、101〜124分の人は慢性腰痛になる割合が約23%低いという関連が見られました。

ただし、これは観察研究です。「よく歩いたから腰痛にならなかった」のか、「もともと体の調子がよい人がよく歩いていた」のかは区別できません。また、ここでの歩行時間は買い物や通勤も含めた1日の歩行すべてで、散歩の時間ではありません。「1日78分歩けば腰痛を防げる」とは読まないでください。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人は1日60分以上(約8,000歩)、高齢者は1日40分以上(約6,000歩)の歩行などの活動が目安とされていますが、これは腰痛のある方向けの基準ではありません。ガイドでも「個人差を踏まえ、可能なものから取り組む」とされています。歩数の目安については1日何歩歩けばいい?もご覧ください。

腰が気になる方の歩き方のヒント

歩き方についての研究は今回調べていないため、ここでは無理なく続けるための工夫に絞ります。

・靴はクッションのある歩きやすいものを選びます
・平らな道から始めて、坂道や階段は慣れてから入れます
・長く座ったあとにいきなり速く歩かない。最初の数分はゆっくり歩いて体を慣らします
・1回で長く歩けない日は、分けても構いません。朝と夕方に10分ずつなどです

姿勢や足の運び方については歩き方を整えるだけで腰と膝の負担が減る理由、ウォーキングの効果と限界についてはウォーキングだけで体は変わるのか?でまとめています。

東海市・太田川で腰痛をくり返す方へ

TRADには、腰の重さや痛みをくり返してきた40〜60代の方が多く通われています。「歩いたほうがいいとは聞くけれど、どこまでやっていいか分からない」というのは、とても自然な悩みです。

TRADでは、まず姿勢と動作の評価で、立つ・しゃがむ・前に倒す・振り向くといった動きのどこで腰に負担が集まっているかを確かめます。そのうえで、歩く量の増やし方と、お尻・体幹・股関節の運動を組み合わせて、その方に合った順番でご提案します。セッションでの痛みへの対応はセッション中に痛みや違和感が出たときでご説明しています。

繰り返しになりますが、TRADは診断や治療は行いません。強い痛みやしびれがある場合は、まず医療機関にご相談ください。

参考にした主な研究・ガイドライン

・日本整形外科学会「症状・病気をしらべる 腰痛」
・厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
・Pocovi et al.(2024)無作為化比較試験(WalkBack)/Lancet(PMID: 38908392)
・Pocovi et al.(2020)試験計画書/BMJ Open(PMID: 33033088)
・Pocovi et al.(2025)無作為化比較試験の二次解析/Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy(PMID: 40875587)
・Dahm et al.(2010)システマティックレビュー/Cochrane Database of Systematic Reviews(PMID: 20556780)
・Foster et al.(2018)レビュー/Lancet(PMID: 29573872)
・Vanti et al.(2019)システマティックレビュー・メタ解析/Disability and Rehabilitation(PMID: 29207885)
・Hayden et al.(2021)システマティックレビュー・メタ解析/Cochrane Database of Systematic Reviews(PMID: 34580864)
・Steffens et al.(2016)システマティックレビュー・メタ解析/JAMA Internal Medicine(PMID: 26752509)
・Haddadj et al.(2025)前向きコホート研究/JAMA Network Open(PMID: 40512494)

よくある質問

Q. 腰痛があるときでも、ウォーキングはしてよいですか。

安静にしていても痛みが軽くならない、しだいに悪化する、発熱がある、脚がしびれたり力が入らない、尿もれがあるといった場合は、歩く前に整形外科を受診してください。そうした症状がなく動ける場合は、急な腰痛でも安静にするより普段の活動を保つほうがわずかに良いという研究のまとめがあり、無理のない範囲で歩くことは選択肢になります。ただし脚に痛みやしびれが走るタイプでは、安静と活動の差はほとんどありませんでした。

Q. 腰痛の再発予防には、どのくらい歩けばよいですか。

腰痛から回復した701人を対象にした研究では、週3回から始めて先に回数を増やし、速さや坂などの強さは後から足す進め方で、6か月かけて週5回・1回30分以上を目標にしていました。この方法と腰痛についての説明を、理学療法士の指導のもとで行ったグループは、再発までの日数の中央値が112日から208日に延びました。最初から毎日30分歩く必要はありません。

Q. 歩くと腰が痛くなるときは、どうしたらよいですか。

痛みが何点までなら歩いてよいという基準は、確認できる根拠が見当たりませんでした。歩いたあとや翌日に腰の痛みが強まる、脚にしびれが出るといった場合は、量を1つ前の段階に戻してください。それでも続く場合や、安静にしていても痛い、しだいに悪化するといった場合は、整形外科を受診してください。歩く量を増やした研究では脚まわりの不調も増えていたため、一気に増やさないことが大切です。

Q. ウォーキングだけで腰痛はよくなりますか。

歩けば腰痛がよくなると言える研究はありません。慢性腰痛の研究のまとめでは、ウォーキングと他の運動の効果は同じくらいで、ウォーキングが特に優れているわけではありませんでした。運動全般は痛みを和らげる方向の結果が出ていますが、生活の動きやすさへの効果は小さめです。ウォーキングは続けやすい選択肢のひとつとして、お尻や体幹、股関節の運動と組み合わせるのがよいと考えています。

Q. 1日何歩くらい歩けばよいですか。

厚生労働省のガイド2023では、成人は1日60分以上(約8,000歩)、高齢者は1日40分以上(約6,000歩)の歩行などの活動が目安とされていますが、腰痛のある方向けの基準ではなく、個人差を踏まえて可能なものから取り組むこととされています。よく歩く人ほど慢性腰痛が少ないという観察研究もありますが、因果関係は分かっていません。いまの歩く量から少しずつ増やすことを優先してください。

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どこまで歩いてよいか、何を組み合わせるとよいかは、人によって違います。TRADは姿勢・動作の評価から始めて、腰に負担が集まっている動きと、歩く量の無理のない増やし方を一緒に確かめます。太田川駅東口から徒歩4分、駐車場もございます。姿勢評価つきの体験トレーニングは90分・2,750円(税込)で、ご予約確定後の確認メールから事前にお支払いいただけます。

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