中性脂肪・コレステロールは運動で下がる?|項目ごとに効き方が違います|東海市のパーソナルトレーニングジムTRAD

中性脂肪とコレステロールに対する運動の効果を解説する記事のサムネイル。東海市のパーソナルトレーニングジムTRAD

秋の健康診断で、中性脂肪やコレステロールの欄に印がついた。薬を飲むほどではないと言われたけれど、どうすればいいのか——そんな方に向けた記事です。先に結論をお伝えします。運動でもっとも一貫して動くのは中性脂肪です。日本を含む東アジアの25試験・994名(平均53.6歳)をまとめた研究では、運動だけで中性脂肪が平均13.7mg/dL下がりました。いっぽうLDLコレステロールは、全体では有意な変化がありませんでした。項目ごとに効き方がまったく違います。この記事では、東海市・太田川駅から徒歩4分のTRADパーソナルコンディショニングジムが、項目別の数字と必要な運動量を整理してご説明します。

要点まとめ

・日本を含む東アジアの25試験・994名(平均53.6歳)の解析では、運動のみで中性脂肪 −13.7mg/dL、HDL +2.2mg/dL、総コレステロール −5.8mg/dLが有意に動きました
・LDLコレステロールは全体では有意ではありませんでした(−4.3mg/dL)。「運動でLDLが下がる」とは断定できません
・ただし週150分以上に限ると、LDLも −8.9mg/dL で有意になりました。量が効いています
・週150分未満では、HDLは +0.7mg/dL で有意ではありませんでした。いっぽう中性脂肪は150分未満でも有意に下がっています
・日本動脈硬化学会のガイドラインは「週に150分以上の中強度以上の有酸素運動」を推奨レベルAで推奨しています
・🚨 同じガイドラインに「運動療法で報告される改善効果は、一般に過大評価される傾向がある」という記述もあります
・筋力トレーニングについては、学会が「エビデンスが十分とは言えない」、厚生労働省のガイドが「不明瞭」と書いています。筋トレは脂質のためというより、筋力と身体機能のために勧められています
・⚠️ お薬を飲むかどうかの判断は医師の領域です。TRADからは申し上げません

項目ごとに、効き方がまったく違います

「運動でコレステロールが下がる」とまとめて語られがちですが、実際は項目によって動き方がかなり違います。ここを分けて知っておくと、健診結果の見方が変わります。

2019年にJournal of Atherosclerosis and Thrombosis誌に載った研究は、日本17試験・韓国5・中国2・台湾2という東アジアの25試験・994名(平均53.6歳)を集めたメタアナリシスです。食事の指導を含まず運動のみを行った無作為化比較試験に絞っている点が、この記事の読者にとって価値があります。結果は次のとおりです。

中性脂肪(TG):−13.7mg/dL。もっとも一貫して動いた項目です。研究間のばらつきもほとんどありませんでした。

HDLコレステロール:+2.2mg/dL。上がる方向ですが、幅は穏やかです。

総コレステロール:−5.8mg/dL。有意に下がりました。

LDLコレステロール:−4.3mg/dL で、有意ではありませんでした。ここが意外に思われるところかもしれません。

HDLについては、2007年にArchives of Internal Medicine誌に載った25論文のメタアナリシスもあります。こちらでは+2.53mg/dLで、著者は「穏やか(modest)」と表現しています。そして有意に上げるために必要な最低の運動量を、週900kcalまたは週120分と推定しています。1回の運動時間が10分長くなるごとにHDLが約1.4mg/dL高い、という関係も報告されています。

どのくらいやれば動くのか(週150分が分かれ目)

量の話がここで出てきます。先ほどの東アジアの研究では、運動量で分けた解析も行われています。

週150分以上(10試験・299名)では、HDL +3.7、LDL −8.9、総コレステロール −11.5、中性脂肪 −14.5——4項目すべてが有意に動きました。

週150分未満(11試験・475名)では、HDL +0.7で有意ではなく、LDL −2.5も有意ではありませんでした。いっぽう中性脂肪は −12.8 で有意でした。

この違いは実用的です。中性脂肪は比較的少ない量でも動きますが、HDLとLDLはある程度まとまった量が必要だということになります。

強度についても結果があります。中強度(最大心拍数の55〜69%)の試験に絞ると、HDL +6.4、LDL −12.4と、全体より大きく動いていました。

公的な推奨もこの線に沿っています。日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」には、「1日合計30分以上を週3回以上(可能であれば毎日)、または週に150分以上中強度以上の有酸素運動」を行うことを推奨すると書かれており、エビデンスレベル1・推奨レベルAとされています。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」にも「週150分以上の定期的な中強度の有酸素性身体活動は脂質異常症を改善させる」とあります。

週150分は、1日あたりにすると約21分です。毎日やるなら20分強、週5日なら30分。中強度がどのくらいかは運動の強さの目安でご説明していますが、おおよそ「会話はできるが歌うのは難しい」くらいが目安になります。

ただし、効果は過大評価されやすいとも書かれています

ここは数字を紹介した側として、必ずお伝えしておきたい点です。

日本動脈硬化学会のガイドラインには、「報告された血清脂質の改善効果は研究間で著しいばらつきがあり、その効果は薬物療法と比較すると相対的に小さかった」という記述と、「運動療法で報告される改善効果は、一般に過大評価される傾向がある」という記述があります。

東アジアの研究自体にも限界が明記されています。無作為化の方法が適切に記載されていた試験は25のうち7、割り付けの隠蔽ができていたのは2試験だけでした。そしてバイアスのリスクが高い8試験を除いて計算し直すと、LDLは有意でなくなりました(中性脂肪・HDL・総コレステロールは有意のまま残りました)。

もう1つ。これらの数字はすべて研究の平均です。ご自身の数値から13.7を引けば予測になる、というものではありません。動く人も動かない人もいて、その平均がこの値だという意味です。

ですので、この記事でお伝えできるのは「運動で中性脂肪は下がりやすく、HDLは穏やかに上がります。LDLははっきりしません。そして効果の大きさは、薬と比べれば小さいとされています」というところまでです。

筋力トレーニングはどうなのか

TRADはパーソナルトレーニングジムですので、ここは自分に都合の悪いことも書きます。

筋トレで脂質が動いたとするメタアナリシスはあります。2009年の研究(29研究・1,329名)では、総コレステロール −5.5、LDL −6.1、中性脂肪 −8.1mg/dL が有意でした。ただしHDL +0.7は有意ではありませんでした。2019年の別のメタアナリシスでは、標準化平均差でTC・TG・LDL・HDLのすべてが有意に改善したとされています。HDLについて、2つの研究で結果が割れています。

そして公的資料の評価です。日本動脈硬化学会のガイドラインは「レジスタンス運動による改善効果については、エビデンスが十分とは言えない」と書いています。厚生労働省のガイド2023はもっと率直で、「筋力トレーニングについて、脂質異常症を改善させるか否かは不明瞭であるが、筋力及び身体機能を高め、生活機能の維持・向上が期待できる」という書き方です。

つまり脂質の数値を動かす目的で筋トレを選ぶ根拠は、今のところ十分ではありません。筋トレをお勧めする理由は別にあります——筋力と身体機能です。同じガイドラインも、禁忌でない場合は筋トレを推奨しています。

健診の数値を動かしたいなら、まず有酸素運動を週150分。そのうえで筋力のために筋トレを加える、という順番が公的資料と整合します。

体重が減らなくても、数値は動くのでしょうか

ここは多くの方が気にされるところです。「体重の変化が小さかった試験でも数値が動いた研究がある」までが、正直に言える範囲です。

東アジアの研究では、BMIが有意に低下しなかった試験のグループでも、中性脂肪 −13.6、HDL +2.4という結果が出ています。ただしこれはあとから群を分けて計算した解析で、「体重を変えずに運動した」という条件で最初から設計された試験ではありません。

また2002年にNew England Journal of Medicine誌に載った研究(STRRIDE)では、体重を維持するよう促した条件のもとで、運動量が多いほど脂質の改善が大きいという結果が報告されています。ただし具体的な数値は抄録に記載がなく、実際に体重がどれだけ変化したかも確認できませんでした。

ですので「体重が減らなくても必ず数値が動く」とは言えません。言えるのは「体重が大きく減らなくても動いた報告はある」ということです。内臓脂肪そのものへの運動の効き方については内臓脂肪を減らす運動の優先順位でご説明しています。

1回の運動でも変わるのか

1回の運動の後にも変化が起きるという報告があります。2022年の研究では、運動の後に食事をとったときの中性脂肪の上がり方が小さくなっていました(効果量 −0.47、消費エネルギーは約2MJ)。

⚠️ ただし2つ注意があります。1つは、これが「食後の中性脂肪の上がり方」であって、健診で測る空腹時の中性脂肪ではないことです。「1回運動すれば健診の数値が下がる」とは言えません。もう1つは、原典が効果を「一時的」と書いていることです。

なお、食後の軽い運動が血糖値に効く理由でご紹介した話とは順序が逆です。あちらは食べたあとに動く話、こちらは動いたあとに食べる話になります。混同しないようご注意ください。

採血の前に気をつけること

中性脂肪は、食事と飲酒の影響を強く受ける項目です。

日本動脈硬化学会のガイドラインには、採血の前日夜の飲酒が中性脂肪の上昇を長引かせることがあるという記述があります。つまり前の晩に飲んだかどうかで、健診の数字が変わりうるということです。印がついた方は、その日の条件を思い出してみてください。

飲酒量については、同じガイドラインにアルコールは25g/日以下という記載があります。お酒とトレーニングの関係はお酒と筋トレの関係で詳しく扱っていますので、合わせてご覧ください。

⚠️ 食事の内容については、TRADは運動指導の立場ですので踏み込みません。食事の指導が必要な場合は、医療機関や管理栄養士の方にご相談ください。

お薬を飲んでいる方へ

1点だけ、運動指導の立場からお伝えしておきたいことがあります。

厚生労働省の運動ガイド2023には、「脂質異常症治療薬(スタチン系):筋力低下や筋肉痛をきたすことがあり、注意が必要です」と書かれています。ですのでお薬を飲んでいる方は、運動を始めるときにその点をお伝えいただけると助かります。筋肉痛の出方が想定と違うときに、判断の材料になります。

🚨 そしてお薬を飲むか、やめるか、減らすかの判断は医師の領域です。TRADからは一切申し上げません。「運動すれば薬は要らなくなります」といった説明もいたしません。持病がある方の運動の始め方については血圧が気になり始めたら|40代からの運動の始め方と注意点でも触れています。

なお、学会の一般向け資料には、LDLコレステロール140mg/dL以上、HDLコレステロール40mg/dL未満、中性脂肪150mg/dL以上(空腹時)または175mg/dL以上(随時)という数値が示され、「異常値の場合は医師に相談しましょう」と書かれています。これはこちらの判断ではなく、資料にそう書かれているという紹介です。

TRADでの進め方

脂質の数値を目標にトレーニングを設計することは、TRADではしていません。できるのは次の3つです。

1つ目は、週150分を現実的な形に落とすことです。「毎日30分歩く」が続かない方は多くいらっしゃいます。通勤、買い物、階段をどう使うか。分けて積み上げる方法については運動は10分×3回に分けても効果はある?でご説明しています。

2つ目は、中強度を体で覚えていただくことです。心拍計がなくても、どのくらいの息の上がり方が中強度なのかは、一度一緒に確認すれば分かります。ここがずれていると、週150分やっても強度が足りないことがあります。

3つ目は、歩くための体を整えることです。膝や腰が痛くて歩けないという方に「週150分歩いてください」と言っても始まりません。痛みの出ない範囲を広げることが先になります。

TRADが行うのは運動指導・コンディショニングです。検査値を目標として約束したり、症状を治したりすることはできません。数値そのものの管理は医療機関にお任せしています。

東海市・大府市・知多市から通われている方の場合

秋は健診の時期ですので、結果を手に「何から始めればいいか」とご相談にいらっしゃる方が増えます。

そうしたときにお伝えしているのは、まず動かしやすい項目から見るということです。中性脂肪に印がついているなら、運動で動きやすい項目です。LDLだけが高い場合は、運動の効果がはっきりしていない項目ですので、医療機関での相談が中心になります。

そして来年の健診を「比べる基準」にしてしまうのが、いちばん続きやすい方法です。半年や1年の単位で見ると、体重より先に数値が動くこともあります。

参考にした主な研究・ガイドライン

・日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」
・厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(令和6年1月)
・Igarashi et al.(2019)システマティックレビュー・メタアナリシス/Journal of Atherosclerosis and Thrombosis(PMID: 30381613)
・Kodama et al.(2007)メタアナリシス/Archives of Internal Medicine(PMID: 17533202)
・Kelley et al.(2009)メタアナリシス/Preventive Medicine(PMID: 19013187)
・Costa et al.(2019)システマティックレビュー・メタアナリシス/Journal of Physical Activity and Health(PMID: 31023184)

よくある質問

Q. 中性脂肪は運動でどのくらい下がりますか。

日本を含む東アジアの25試験・994名(平均53.6歳)をまとめた研究では、運動のみで平均13.7mg/dL下がりました。研究間のばらつきが少なく、脂質の中でもっとも一貫して動いた項目です。週150分未満の試験でも12.8mg/dLの低下が有意でしたので、比較的少ない量でも動きやすい項目だと言えます。ただしこれは研究の平均で、ご自身の数値から13.7を引けば予測になるというものではありません。学会のガイドラインも、運動の効果は過大評価されやすいと注意しています。

Q. LDLコレステロールは運動で下がりますか。

はっきりしていません。東アジアの25試験の解析では、LDLは全体ではマイナス4.3mg/dLで有意ではありませんでした。さらにバイアスのリスクが高い試験を除いて計算し直すと、やはり有意ではありませんでした。いっぽうで週150分以上の試験に絞るとマイナス8.9mg/dLで有意、中強度の試験に絞るとマイナス12.4mg/dLで有意という結果も出ています。これはあとから群を分けた探索的な解析ですので、「量と強度が足りれば動く可能性がある」というところまでが言える範囲です。

Q. 週にどのくらい運動すればいいですか。

日本動脈硬化学会のガイドラインは、1日合計30分以上を週3回以上(可能であれば毎日)、または週に150分以上の中強度以上の有酸素運動を推奨しています(推奨レベルA)。厚生労働省のガイド2023にも、週150分以上の中強度の有酸素性身体活動は脂質異常症を改善させるという記載があります。研究のほうでも、週150分以上の試験ではHDL・LDL・総コレステロール・中性脂肪の4項目すべてが有意に動き、150分未満ではHDLが有意に上がりませんでした。週150分は1日あたり約21分です。

Q. 筋トレでも中性脂肪やコレステロールは下がりますか。

研究では動いたという報告がありますが、公的資料の評価は慎重です。2009年のメタアナリシス(29研究・1,329名)では総コレステロール、LDL、中性脂肪が有意に下がり、HDLは有意ではありませんでした。別のメタアナリシスではHDLも有意という結果で、研究間で食い違っています。日本動脈硬化学会は「エビデンスが十分とは言えない」、厚生労働省のガイドは「不明瞭」と書いています。ですので脂質のために筋トレを選ぶ根拠は十分ではなく、筋トレは筋力と身体機能のために勧められているとお考えください。

Q. 体重が減らないと数値は変わりませんか。

体重が大きく減らなくても数値が動いた報告はあります。東アジアの研究では、BMIが有意に低下しなかった試験のグループでも中性脂肪がマイナス13.6、HDLがプラス2.4という結果でした。また体重を維持するよう促した条件の研究でも、運動量が多いほど改善が大きいと報告されています。ただし前者はあとから群を分けた解析で、「体重を変えずに運動する」という条件で設計された試験ではありません。ですので「必ず動く」とは言えず、「動いた報告はある」というところまでが正直な答えです。

姿勢評価つきの体験を受付中|東海市のパーソナルトレーニングジムTRAD

健診の結果を手に「何から始めればいいか」で迷われている方へ。週150分という目標を、ご自身の生活に落とし込むところからご相談いただけます。膝や腰が痛くて歩けない場合は、そこを広げることが先になります。TRADは、姿勢・動作を評価してから進める完全個室のパーソナルジムです。太田川駅から徒歩4分、駐車場もございます。姿勢評価つきの体験トレーニングは90分・2,750円(税込)です。

→ 東海市・太田川駅のパーソナルジムTRADの特徴を見る

→ 姿勢評価つき体験(90分)の内容と料金

その場でのご契約はお願いしていません。内容を見たうえで、じっくりご検討ください。ご予約は公式LINE、または予約サイト(空き状況を見る)から承っています。

LINEで体験を予約する

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!