「まとまった時間が取れないので、運動は諦めています」——体験でいちばん多くうかがう理由です。ですが、同じ時間を分けて行った場合と、続けて行った場合を比べた研究は、すでに19件集まっています。結論を先にお伝えします。体力・血圧・血糖・インスリン・血中脂質のいずれも、続けて行った場合と分けて行った場合で差は見られませんでした。むしろ食後の血糖については、分けたほうが良い結果だったという報告もあります。東海市・太田川駅から徒歩4分のTRADパーソナルコンディショニングジムが、研究と国の指針から「分けても大丈夫なのか」を整理します。
要点まとめ
・19件の研究(1,080名)を集めた分析では、続けて行っても分けて行っても、体力・血圧・血中脂質・インスリン・血糖に差はありませんでした
・体重については、分けた群のほうが0.92kg多く減っていました(5件・211名と少数)
・27件の研究(635名)の分析では、その日の食後血糖は分けたほうが良好でした(標準化平均差 −0.36)
・ただし翌朝の測定値には差がありませんでした
・厚生労働省のガイド2023の推奨に、「1回10分以上まとめて」といった条件は書かれていません
・同ガイドは「今よりも10分多く」(プラス・テン)を勧めており、1日10分増やすと発症・死亡リスクが約3%低下すると推測されています
・筋力トレーニングを分けてよいかは、今回の調査では確かめられませんでした
「まとめてやらないと意味がない」は本当か
「20分以上続けないと脂肪が燃えない」という話を聞いたことがある方は多いと思います。この「まとめてやらないと」という前提を、正面から調べた分析があります。
19件の研究をまとめた分析
1回で行う運動と、同じ強度・同じ種目・同じ合計時間を1日のうちに分けて行う運動を比べた研究を集めた分析です(Murphy et al. 2019)。対象は19件の研究、1,080名。地域で暮らす成人が対象で、1970年から2018年8月までの6つのデータベースから集められています。
・心肺持久力(体力)と血圧…どの指標でも両者に差はありませんでした
・体重…分けた群のほうが0.92kg多く減少(95%信頼区間 −1.59〜−0.25、5件・211名)
・体脂肪率…週150分を超えて分けて行った場合、0.87%良好(−1.71〜−0.04、3件・166名)
・LDLコレステロール…分けた群で0.39mmol/L低下(−0.73〜−0.06、2件・41名)
・総コレステロール、HDL、中性脂肪、空腹時血糖、空腹時インスリンには差がありませんでした
原典の結論はこうです。「成人は、1回で運動しても、短い時間に分けて積み重ねても、同程度の健康上の利益を得られる可能性が高い」。
ここは正直に書いておきます。体重・体脂肪率・LDLで「分けたほうが良かった」とされた部分は、研究の数も人数も少ないです(2〜5件、41〜211名)。ですので「分けたほうが痩せる」とまでは言えません。言えるのは「分けても不利にはならない」というところまでです。
食後の血糖では、分けたほうが良い結果でした
食後の血糖・インスリン・中性脂肪に絞って、分けた運動と1回の運動を比べた分析もあります(Zhang et al. 2022)。27件の研究、635名が対象です。
・その日の食後血糖は、分けた運動のほうが良好でした(標準化平均差 −0.36、95%信頼区間 −0.56〜−0.17、p=0.0002)
・とくに短い運動を1日に5回以上はさむ形(20〜60分おきに1〜6分)で −0.36
・低〜中強度の運動で −0.38
・糖尿病のない方で −0.36
・いっぽう食後インスリン・中性脂肪、そして翌朝の測定値には差がありませんでした
原典の結論は「この知見は、1回のセッションで身体活動を行う時間や運動能力が限られている人に対して、食後血糖の管理のための身体活動の選択肢を増やすものです」というものです。つまり「分けるほうが優れている」という話ではなく、「分ける形も選んでよい」ということです。
国の指針はどうなっているか
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」で、成人への推奨はこう書かれています。
・3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上(歩行またはそれと同等以上を1日60分以上、約8,000歩以上に相当)
・3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上(息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上)
・筋力トレーニングを週2〜3日
・座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する
ここで注目していただきたいのは、この推奨のどこにも「1回10分以上まとめて」という条件が書かれていないことです。ガイド本文46ページを通して確認しましたが、まとめて行うことを条件とする記述はありませんでした。
むしろガイドは、逆向きのことを書いています。高齢者版のQ&Aには「毎日6,000歩も歩けそうにありません」という問いへの答えとして、「まずは今よりも10分多く身体活動をするように心がけましょう(プラス・テン:+10)」とあります。
その根拠として、成人版にはこう書かれています。1日あたり10分の身体活動を増やすことで、生活習慣病の発症や死亡リスクが約3%低下すると推測されています。さらにe-ヘルスネットの成人版の解説には、運動量が1日10分多くなると、そのリスクは約6%低下すると推測されると書かれています。
座りっぱなしを切ることにも意味があります
同じガイドには、長時間の座位行動をできる限り頻繁に(例えば30分ごとに)中断(ブレイク)することが、食後血糖値やインスリン抵抗性などの心血管代謝疾患のリスク低下にとって重要と報告されている、という記述があります。
デスクワークが長い方にとっては、これが現実的な入口になります。座りすぎが体に起こす変化もあわせてご覧ください。
1日をどう組み立てるか
ここからは研究ではなく、TRADでご提案している形です。合計で1日60分の身体活動を目指すとして、分けるなら次のような組み方があります。
朝(10〜15分)…一駅手前で降りる、遠い駐車場に停める、通勤の行き帰りを少し早歩きにする
昼(10分)…昼食後に建物の外を1周する。食後の軽い運動については食後の軽い運動が血糖値に効く理由でご説明しています
勤務中(1〜2分×数回)…30分に1回立ち上がる、階段を1フロア分使う
夜(10〜20分)…入浴前に自宅でのエクササイズ、夕食後の散歩
「これで本当に足りるのか」と思われるかもしれませんが、合計すれば40〜60分になります。歩数でいえば1日何歩歩けばいい?の目安に届く形です。
分けるときに気をつけたいこと
強度を落とさない…研究で比べられているのは「同じ強度・同じ合計時間」です。分けたぶん楽にしてしまうと、条件が変わります。10分なら10分、息が少し弾む程度は保ちます
いきなり動き出さない…短い時間だと準備運動を省きたくなりますが、朝いちばんや寒い時期はとくに、数十秒でも体を動かしてから始めてください
記録して合計する…分けると「やった感」が薄くなります。合計を見える形にしておくほうが続きます。運動を続けるための記録のつけ方が参考になります
筋トレは分けてよいのでしょうか
正直にお伝えします。ここでご紹介した研究は、いずれも有酸素性の運動が中心です。筋力トレーニングを1日のうちに分けて行った場合に、まとめて行った場合と同じ効果が得られるかを比べた研究は、今回の調査では確認できませんでした。
ですので、「筋トレも分けて大丈夫です」とは書けません。ただし、ガイドが推奨しているのは「週2〜3日」という頻度であって、1回あたりの時間ではありません。1回30分を週2回でも、種目を分けて15分を週4回でも、週あたりの合計が確保できるなら形は一つではない、というのがTRADの考え方です。ここは研究の裏づけではなく、現場での判断として書いています。通う頻度についてはパーソナルジムに通う頻度の目安をご覧ください。
運動を始める前にご相談いただきたい場合
胸の痛みや強い息切れがある、血圧が高いと指摘されて間もない、治療中の病気がある——こうした場合は、運動の内容や強さについて、かかりつけの医療機関にご相談のうえで始めてください。TRADは運動指導を行う施設であり、医療機関ではありません。この記事も診断の代わりになるものではありません。
TRADでのご案内の仕方
「時間がない」という方に、TRADがまずお聞きするのは1日のどこに10分が空いているかです。そのうえで、ご自宅でできるものと、ジムでしかできないものを分けます。姿勢と動作の評価で優先順位が決まると、限られた時間をどこに使うかがはっきりします。
TRADは月会費のない回数券制ですので、忙しい月に来られなくても無駄になりません。東海市・太田川駅から徒歩4分、完全個室・完全予約制です。通えない時期の考え方は運動を2週間休むと体はどうなる?もあわせてご覧ください。
参考にした主な研究・ガイドライン
・Murphy et al.(2019)システマティックレビュー+メタ分析/Sports Medicine(PubMed)
・Zhang et al.(2022)システマティックレビュー+メタ分析/Sports Medicine – Open(PubMed)
・厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート:成人版(e-ヘルスネット)
・厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート:高齢者版(e-ヘルスネット)
よくある質問
Q. 運動は10分ずつ3回に分けても効果がありますか。
同じ強度・同じ合計時間であれば、分けても不利にはならないと考えられます。19件の研究(1,080名)を集めた分析では、心肺持久力・血圧・血中脂質・インスリン・空腹時血糖のいずれも、1回で行った場合と分けて行った場合で差がありませんでした。原典は「成人は1回で運動しても、短い時間に分けて積み重ねても、同程度の健康上の利益を得られる可能性が高い」と結論しています。
Q. 20分以上続けないと脂肪が燃えないと聞きました。
少なくとも体重や体脂肪率の変化で見るかぎり、分けた運動が不利だという結果にはなっていません。19件の分析では、体重はむしろ分けた群のほうが0.92kg多く減り、週150分を超えて分けて行った場合の体脂肪率は0.87%良好でした。ただしこれらは5件・211名、3件・166名と規模が小さいため、「分けたほうが痩せる」とまでは言えません。言えるのは「分けても不利にはならない」というところまでです。
Q. 厚生労働省のガイドでは、1回何分以上と決まっていますか。
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の成人への推奨は、3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上、3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上、筋力トレーニングを週2〜3日、座りっぱなしの時間に注意する、というものです。ここに「1回10分以上まとめて」といった条件は書かれていません。むしろ「今よりも10分多く身体活動をするように心がけましょう(プラス・テン)」と書かれています。
Q. 血糖値が気になります。分けたほうがよいのでしょうか。
その日の食後血糖に限れば、分けたほうが良好だったという報告があります。27件の研究(635名)の分析で、標準化平均差は−0.36でした。とくに短い運動を1日に5回以上はさむ形、低〜中強度、糖尿病のない方で差が見られています。ただし食後インスリンと中性脂肪、そして翌朝の測定値には差がありませんでした。持病がある方は、運動の内容について主治医にご相談ください。
Q. 筋トレも分けてよいですか。
ここでご紹介した研究はいずれも有酸素性の運動が中心で、筋力トレーニングを1日のうちに分けた場合を比べた研究は、今回の調査では確認できませんでした。ですので「筋トレも分けて大丈夫です」と研究をもとに申し上げることはできません。ただし国の推奨は「週2〜3日」という頻度で書かれており、1回あたりの時間は定められていません。週あたりの合計が確保できる形を探していただくのがよいと思います。
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限られた時間をどこに使うか。それは、今の体の状態が分かって初めて決まります。TRADは、鍛える前に姿勢・動作を評価してから進める完全個室のパーソナルジムです。月会費なしの回数券制ですので、忙しい月があっても無駄になりません。太田川駅から徒歩4分、駐車場もございます。姿勢評価つきの体験トレーニング(90分)は2,750円(税込)です。ご予約後にお送りするご確認メールから、事前にお支払いいただけます。
その場でのご契約はお願いしていません。内容を見たうえで、じっくりご検討ください。ご予約は公式LINE、または予約サイト(空き状況を見る)から承っています。

